禁酒にメリットはあったけど解禁。ただ飲み方は変化した話。

当サイトでは、著者ぼっくりが実際に買ってよかったモノや気になるモノなどの紹介に、一部広告リンクを使用しています。

禁酒1年半。

ある日から、禁酒が始まった。

現在でおおよそ1年半になるのだが、最近このなんとも中途半端なところで解禁することにしたのだ。

 

なぜか。

 

だってね、なーんかつまらないんだもぉーん。

 

禁酒をする前は、もうアホかというほどに呑む人間であった。

なんでもない平日でもビール2リットルくらいが標準で、時間の制限のない日など5リットルをこえる。

しまいには「ビールは水っ気ばっかりでコスパわるいから焼酎だ!」となり、それもリットル単位になっていく始末で。

つくづくクズであった。

 

だがしかし、クズなりに酒について少なからずの美学をもち、20年超ものあいだ愛でてきたものだ。

それを辞めるときには「おぉオレも変われるんだな」という充実感とともに禁酒に成功していき、そこそこ続いたのだが。

…つまらなかった。

 

禁酒はだれに宣告されたことでもない、自分の意志で決めたことだ。

だが…つまらなかった。。。

 

やっぱり仕事をおえて呑む缶ビールはサイコーだし、日本酒や焼酎でしっぽりとアテをつまむのも良い。

キャンプにいけば焚火をまえに呑むウイスキーがうまいし、酒をまじえて友人たちと話に花が咲くのもよい思い出となる。

 

気がつけば人生の半分以上をアルコールの愉しさとともに過ごし、なんだかんだで良い時間にはそこに酒がある、そんな生き方をしてきた。

 

酒のない生活をしてみてそのメリットを感じながらも、なんともいえない虚しさからは逃れられなかった。

酒のない生活の楽しみ方が、1年半をもってしても解らなかったのだ。

 

禁酒にメリットはあった。

なにも禁酒はツラいことではなかった。

 

経験したことのない朝の目覚めのよさ、仕事への集中力、効率性、すこぶる良くなる体調。

…それだけアルコールに犯されていたということになるが、まあ酒量がただただ多すぎたのであろう。笑

 

いつでも移動手段に「車」を選択できるというメリットも大きかった。

たとえばキャンプをしていても、もし誰かがケガをしたときに車で病院に行けない。

僕ぼっくりの経営するうどん屋の近辺で飲んだ日には、家まで徒歩で30分かけて帰るしかない。

酔ってるとそのたった30分がツラい。

 

呑みすぎた日なんて、なんど自分の店の床に転がって寝たことか。

そして痛むアタマに苦悶しつつ、朝には結局歩いて帰宅してシャワーをあび、また歩いて店に向かう。

まだまだぜんぜんアルコールが抜けてないんだから仕方ない。

そして店に戻ると仕込みをし、開店する。

 

そんな僕の姿を家族はよく心配していた。

「それも付き合いなんだよ」と言い訳をするのだが、実際そうでもあったし、そうでないときもあった。

ただ心配をかけたこと、これについてはダメだったなぁ。

 

酒をやめると言うと、まだそれでも飲み仲間は僕を誘ってくれた。

嬉しいんだけど、飲まないことにしたんだよ。

何度も誘ってくれたけど、申し訳なさそうに断り続けるうちに誘いもなくなった。

正直このご時世、酒の場に顔を出さないといけない仕事などない。

それでダメになる仕事などもない。

つくづく「付き合いで」というのは自分の都合であったのだと実感した。

 

酒をやめることで、たくさんの気付きはあった。

だがどうだ。

…つまらない。。。

この虚しさを埋めるものは、ついに現れなかった。

 

飲み方の変化。

そして1年半の禁酒ののち、突然にして解禁を宣言した。

だが、自分で制限をつけて。

あのクズには戻ってはいけないから。

 

ルールはこうだ。

「家で2杯までは飲んで良し。」

家で、である。

特例として、旅行中も2杯まで、キャンプなどでも2杯までOK。

基本的には家でだけ飲むことにした。

 

すると…驚くべき変化があった。

今までバカなのかというほど飲んできたが、いざ禁酒をやめて飲んで良いとなると、そんなに飲みたいという気持ちが湧かなくなっていた。

そして飲んでみて分かったのが「1杯の愉しさ」であった。

2杯飲んでいいんだけど、1杯をゆっくり愉しめるようになっていた。

2杯目に手を出さなくても、1杯をゆっくり呑んで満足できたのだ。

明らかな変化であった。

 

今宵も1杯を愉しむ。

仕事をおえて帰宅し、風呂で汗を流し、子供とたわむれてから、自室にうつる。

「今日の1杯」と選んだ缶ビールをそこに置く。

今日一日を回顧しながら、なんだか謙虚な気持ちでプシッと栓を開けると。

トフトフトフ…と、かつてから愛用していたミニジョッキに今日のとっておきビールを注ぐ。

…こぼしたけど。笑

うんうん、いい泡立ちである。

そして眺めること、ひと呼吸。

…こぼれたままだけど。

今宵もいきましょう、1杯だけの至福へ。

(はよ拭け)

今までならここで「クーーーッ!」と言ってただろうが、今はちょっと違う。

「うん、うまい。」である。

ゆっくりと記念撮影なんかもしちゃう。

そうこうしてるうちに、もう半分はなくなっているんだけど。

この1杯でちゃんと終われるようになった。

次を求めもしない。

「おわり。ごちそうさま。」

となるのである。

 

いちど禁酒をしただけでこれほどまでの変化があったことを、共有し記録しておかねばならない。

そしてこの記事を書いているのだ。

 

TOKYO CRAFT 爽やかI.P.A.

こういう呑み方の変化があり、1杯1杯をゆっくり味わえるようになった。

だからこそ、いいビールを呑みたいなと。

 

この日飲んだのは、

TOKYO CRAFT 爽やかI.P.A.」というビール。

商品ウンチクは公式サイトに任せるとして、僕ぼっくりの感想としては。

ひとくち含んだだけで口いっぱいにフルーティさがあふれ、鼻にぬけるような爽やかさがある。

あとからククッと苦味が効いてきて…じんわりと余韻をのこしていく。

苦味がきっちり効いているのに、どこかその中に甘味も感じるような。

矛盾するような表現だが、苦味の奥にある甘味が感じられて二重の味わいがある。

1杯でどっしりと深い味わいを愉しめるので、ブランデーグラスゴブレットなどの湾型グラスでゆっくり呑みたいところだ。

ゆっくり1杯をたのしむ夜に、ちょっと良い日に、おいしいですよ。

 

禁酒での変化を感じてみてください。

それなりの期間しっかり禁酒してみて、その飲み方の変化を感じてみてほしいなと。

もうバカ呑みしなくなりました。

 

その再現性はわかりませんが1年くらいの禁酒は、こういうゆったりとした呑み方にシフトするためのキッカケづくりには良いと思います。

禁酒にメリットはありましたが、僕ぼっくりはこれから適度にお酒と付き合っていこうと。

もうクズには戻らないぞー。

 

自分でつくった「禁酒」という縛りを解いて、やっと1杯の愉しみが理解できたのでした☆

お酒のある時間をゆっくり味わう、よい呑み方だと思いませんか?