山本待子写真展「沖島」~羊水に浮かぶ島~

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 商品券を換金しに梅田に行ったついでに梅田のニコンサロンに寄った。ここは年中なにかしら写真展をやっているからだ。
 偶然にも、滋賀県の沖島の写真展をやっていた。僕は国内の島の写真を撮り歩くことをライフワークとしているので、その写真たちにぐっと惹きつけられた。それに、沖島といえば数年来通っている島だ。

 ギャラリーのエントランスに、撮影者の山本待子さんは居た。沖島の共通の経験を通じて、話が弾む。とても気さくで明るく、いいお方だった。ギャラリーには沖島の島民も数多く訪れており、その中のあるおばちゃんは俺の腕をつつきながら「あんた沖島で見たことあるで!カメラぶらさげて歩いてたからよぅ覚えとるわ!」と言う。おぼろげながら、それがかつて島で道を尋ねたおばちゃんだと気付く。そこは洗練された大阪の都会のビル街にありながら、島の温かな路地裏の空気が漂っていた。
 山本さんにいい写真を見せてもらったお礼を言い、沖島のおばちゃんに山本さんとのツーショット写真を撮ってもらって、ギャラリーを後にする。

 その足で香里園へ。昨年いっしょに家島天神祭の写真を撮った、ガミくんの職場を訪れる。彼はこの春から社会人になったが、今までと変わらぬ顔で迎えてくれた。彼の店でコーヒーを飲み、しばし近況を話しあう。おれの家で鍋をする約束をしガミくんと別れ、次は俺の店のお客さんがやっているバーへ足を向けた。
 香里園の駅前にある「Pines Cafe」という店だ。とても穏やかな雰囲気のマスターと奥さんと、かわいい犬っころが出迎えてくれる。アットホームな雰囲気になごみ、終電近くまでゆっくり飲ませてもらった。

 盛りだくさんだった今日一日をいろいろ思い出しながら家路につく。春らしい、やさしいそよ風を心地よく感じた。