ごはん粒

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 ここ最近また映画熱が再発した。先週は10本見て、今週また5本レンタルしてきた。しかしレンタル屋にある、あの「人気映画ベスト10」ってやつ。なんで全部アメリカ映画なのか。そこに並んでる映画は大抵、分かりやすすぎるハッピーエンド映画や「必ず泣けます」がウリの映画ばっかり。みんなこんなんで揃って喜んで、揃って泣くのか。アホか。
 俺はパッケージ裏に書いてある大筋のストーリー紹介が苦手で、いつもパッケージをほとんど見ずに借りてくる。だいたい展開を知ってながら映画を見るなんて、なんか勿体ない気がするからだ。やっぱり、見た時のビックリ度が違う。でももちろんカス映画に当たる確立も高い。けどカス映画もたまには見たほうが、イイ映画に出会った時の喜びも大きい。

 なんかエラソーな事を書いてしまったが、中学生の頃なんかはモロにアメリカ映画にハマってた。バカでも分かるストーリー、正義は大抵勝つ、たまにあるベッドシーンにドキドキ、悪い奴はこらしめてやるードッカンドッカン、助けてくれてありがとう、好きよシュワちゃんチュッチュッチュッ。
 ある日、寝れないので深夜にテレビをつけると、なんか気だるいフランス映画をやってた。寝れないからずっと見てると、だんだんその気だるくスローな展開が心地よく感じてきた。ああ、人間にはこんな気だるい感覚とかどうしようもなくモヤモヤする感覚とか息苦しさとか言葉に表せない爽快感とかいろんな感覚を感じることができるのに、泣くか笑うかしかできない映画ばっかり見てるのは勿体ないな、と思ったことを覚えてる。
 それからは「全米が泣いた」なんてコピーに心躍ることは無くなった。その頃がいわゆる反抗期の入り口らへんの話で、他人に何かを強いられることを嫌ったというか嫌いまくった。音楽も、メッセージ性の強いパンクから、メッセージ性があったとしても意味が分からない洋ロックを経て、やがてノーメッセージなテクノを好むようになった。感情を無理に押し付けられることが無いから、自分にしっくりハマった。目覚めのいい朝に聴けば楽しい音楽になるし、夕暮れに聴けば郷愁を感じるし、勉強中に聴けば淡々と心臓の音みたいに聞こえる。良いな、良いな。

 なんか堅苦しくなっってきたから話を最初に戻す。ここはレンタルビデオ屋。いつもどおり適当に映画をヒョイヒョイと選ぶ。レジにヒョイっと置くと、店員が「こちら5点のほう一週間レンタルのほうでよかったですか?」と言った。やたら「ほう」を使う奴やなぁ、とか思ってると返事をするのを忘れててもう一度同じ事を聞かれた。「はいはい、その5点のほうは一週間レンタルのほうでいいですほう。」と言ってやった。
 あくまで脳内で、だ。
 5点のほうとは言われてもその5点しかレジに置いてないし、あんたにゃ他に何点か見えるのか?えっ!えっ!残りの数点のほうはいくらだ!ひゃくえんか!にひゃくえんかいくらだぬめぬめ!んで残りの何点は何日ぬめぬめぬめいつ返したらぬめぬめぬめぬめぬめ・・・・・
 なんかいろいろ考えてるうちにヘビ目になってる自分に気付き、ぬめぬめっと店を後にし、ずずずるんべちゃりっとバイクを始動させズベベベベベーっと家に帰った。

 さて俺のゴールデンウィークはというと(また急に話が飛ぶなぁ)、なかなかの黄金具合だった。ここでは映画漬けな話はもういいや。他にはねぇ、まず近所の小川に釣りにいった話を。ポケットに釣り具を詰めて、竿は手に持つという超軽装で挑んだ。エサはゴハン粒。途中のスーパー「ニューグリーン」でお菓子を買い込み、釣りなんだかピクニックなんだか微妙な気分で目当ての小川に到着。同行した友達はいきなりお菓子にまっしぐらで、いきなりパピコとレモングミにかじりついてる。俺も負けじと「かっぱえびせん」で応戦。そう、今日のテーマは「楽しんだもん勝ち」。こいつはお菓子がっつき作戦で攻めてきたか。ああそうか、ならば俺はお魚釣って優勢を狙おう!と、2人で1本しかない釣り竿を奪いとり、ここぞというお魚ポイントにゴハン粒仕掛けを投入。すぐにウキがぴこぴこ反応したので仕掛けを上げてみるとゴハン粒が無くなってた。こいつは釣れるぞ・・・。ひとりでコソコソと胸躍らせゴハン粒投入。すぐにぴこぴこ、しかしまたゴハン粒取られてる。の繰り返しを30分ほど続けてるとなんか幸せ度で友達に負けてる気がして、俺もお菓子がっつき作戦に移行した。仕掛けにはゴハン粒をしこたま付けて放置。
 夕暮れになり、お菓子の満足度では友達に負けたかなぁーと思いながら釣り道具の片付けにかかる。仕掛けをしまおうと思って上げてみると、丸々と太ったアブラハヤが掛かってた。釣れた!!って感覚じゃあないけど、そこで俺は逆転サヨナラホームランを夕闇に打ち放ったのです。何気にこれが今年初の獲物なので記念写真を撮って川に返した。ちゃっかり友達も魚とツーショット撮ってた。

 ゴールデンウィーク中盤には妙な飲み会に誘われた。幼なじみの女友達2人と俺の、3人だけのバーベキュー。特にそいつらと仲がいい訳じゃないから、間がもたずに俺も男友達を呼んだ。夕方からはデリック・メイのDJプレイを久々に拝みに行こうと思ってたのに、その後なぜかバーベキューはだんだん盛り上がり、なぜか高校時代の元カノが登場し、呼んだ友達が楽しそうにしてるし俺は途中で抜けるに抜けられなくなり、仕舞いにゃ俺以外全員が酔っ払ってしまい、それぞれを家までタクシーで送り届けなきゃならんし、そんなこんなで金はスッカラカンになるし・・・。結局デリック・メイを拝みに行けなかった。
 この日、いっそ酔っぱらっちまおうとビールを握りしめる俺を、脳内のわずかな理性が必死に止めてくれた。「お前はダメ」って。そのおかげもあって俺は久々に酔っ払いの介抱をするという偉業を成し遂げたのです。いつもの逆です。こりゃ立派な収穫やな!!と思うことにして、この日のことは忘れよう。だってデリック・・・

 ゴールデンウィーク終盤には、京都散策してみた。日差しと風の具合がちょうどよくて気持ちよかった。冷し中華と親子丼、それにピザクレープとタコ焼きとお菓子を食った。食欲の春やね。冬が大嫌いな俺は春になるとその開放感からか大食らいになる。んで夏はものすごくビールを飲み、秋には脂ののった魚を食い漁る。魚介類は年中食い漁ってるけど、秋は特にすごい。で、大嫌いな冬を迎えると俺は心身ともに半分くらいに縮んで小さくなり、細々と味噌の汁なんかをすすりながら春を待つのです。
 なんとか冬の楽しみを見つけないとなぁ、とずっと考えてるけど難しいね。キャピキャピのウィンタースポーツってのも好かんな。フラ~っとジャージ一丁で楽しめるような気軽な楽しみがいい。温泉はいいなと思うけど、いい温泉は京都から遠い。京都にも温泉がガバガバ出ればいいのにな。あ、屋内フットサルコートでひたすら汗を流すのもいいな。なんとなく固まってきたな、今年の冬は屋内フットサルと温泉!
 まあなんとまとまりの無い文章だこと。