トーキョーに負けじ

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 父さん、ぼくはこの歳になってはじめてトーキョーに行くわけで・・・。とっても怖くて怯えてるわけで・・・夜行バスは窮屈で寒くて若者がうるさくて寝れないわけで・・・。ア~ア~アアアアア~(「北の国から」風に)

 そう、就職活動のおかげで、この歳になって初めての東京体験。厳密に言えば初ではないんやけど、その時はちょっと端の辺りをかじってみた程度やからそれはカウントしないとして、今日はトーキョー初上陸を目論んで妄想を膨らませ鼻の穴もついでに膨らませながら夜行バスに乗り込んだ次第である。である、なんて書いてしまってるのもきっとトーキョーに負けじ!っていう気持ちの現れやわ。都を奪われた京都人の怨念・・・な~む~。
 怨念ナ~ム~の乗り込んだバスは快調に飛ばし未知の国トーキョーに近づきつつあった。いつか何かの漫画で読んだけど、都庁は時として巨大ロボットに変身するらしいから気をつけねばならぬ。あんまり怨念むきだしで乗り込んだりしたらすぐさま都庁ビームなんかを上空から浴びせられたりして、あちぃーよーおっかさん!なんて叫びながら服は焼け焦げ下半身はすっぽんぽん、なんて状態にもなりかねない。そう思った俺はすぐさまヨン様スマイルと化し、東京駅でニッコリと下車した。

 さて。下車したはいいけど、予想に反して人はまばらでしかも何にもない。おかしいなぁと思ってしばらくウロウロしてみたけど、なーんにもない。あとで人から聞いて分かったんやけど、東京駅の近辺はオフィス街になってて土曜の早朝に人なんて誰もいない、だってオフィス街だもん、との事。そうとも知らず俺はひたすら歩き、途中で巨大なクソを公衆便所にひり落とし「クソ食らえ!」と小さな声でつぶやき、しだいにヨン様スマイルも崩れ、荷物の重さに顔を歪めながらなぜか皇居に向かった。

 皇居は思った以上にデカかった。一周してやろうと思ってたんやけど、ちょろっと歩いただけで諦めた。皇居デカすぎるし荷物重すぎる。近くの公園に腰を下ろし一服。ちょっと気持ちを落ち着かせて、宿のある新宿に向かうことにした。
 初!東京の電車!は、以外にもなごやかな雰囲気やった。すいーっとあっけなく到着。新宿も人はまばらだった。何せまだ朝の8時前。重い荷物をコインロッカーに入れて、その辺のコンビニでカップラーメンを買って食べた。

 なんか周りの視線が妙に気になった。ん?歌舞伎町の路地で座り込んで日清カップヌードル食ってるのって変なことか?カッコつけてスカしてんじゃねぇよバカ野郎!と思いながら完食。げふっ。
 さーて、今から何しようかな。面接は17時半から、ホテルのチェックインは15時から、で、今は朝の8時。んむむ、居場所がない。