あなたは、食用イソギンチャクのことをご存知でしょうか。
「えっ、ウソでしょ?あのイソギンチャクを食べる…!?」
という反応が多いと思います。
僕ぼっくりも同じ反応でした。
ただ、とある本でその存在を知ってしまってから、年月の経つこと15年。
その間に、「なにそれ…」という気持ちは「食べてみたい。」という感情に変わっていた。
そしてついに!
なんと通販で販売されているものを見つけてしまい、お取り寄せすることに成功したのです!!
椎名誠「全日本 食えば食える図鑑」で知った。
僕ぼっくりの大好きな作家、椎名誠さん。
小学生のとき書店でその著書「わしらはあやしい探検隊」に出会ってしまってから、30年以上ずっとファンなのです。
芸能人よりもプロスポーツ選手よりも映画俳優よりも、誰よりも会って話してみたい人。
その椎名誠さんの「全日本 食えば食える図鑑」に登場して驚愕させられた、ワケノシンノス。こう表現されています。
こっ…肛門チンポコ生物。。。
もはや食用していいものか、強烈に躊躇させられるその表現。
ただ、この本ではそれ以外にもたくさんの「ゲテモノ」が紹介されています。
ぜんぶ読んでみると若干マヒできるので、マヒしている間に食べてみるといいかも。笑
とにかくオモシロイ本ですよ、これ。
ワケノシンノスとは?名前の意味や由来。
「ワケノシンノス」とは、その地方の方言「若者のケツの穴」という意味なのです。
「若ぇの(若者)の尻の巣(穴・お菊さん。笑)」がなまって「ワケノシンノス」となったといいます。
…強烈。笑
ちなみにワケノシンノスというのは地方名で、正式には「イシワケイソギンチャク」という。
国内で食用されるのはこのイシワケイソギンチャクと、ハナワケイソギンチャク、コイボイソギンチャクの3種。
味の面や獲れ方などから、わずかながらに流通しているのはイシワケイソギンチャクのみ。
九州の有明海でごく少量しか獲られておらず、地元でのみ細々と消費されていたもの。
それが通販や物流の発達によって、なんとスマホで注文できる時代になっていたのです!
このサイトで購入。
ぼくが躊躇しモジモジしているところを、ウチのうどん屋のお客様Iさんがエェーイっとクリックしてくれました。笑
ありがとうございます。
これが通販クリックで買えたことが衝撃でした。
ワケノシンノスの下処理。
こうして届いた食用イソギンチャク、その量なんと1kg。笑
海水を満たしたビニールパックで、冷蔵便でした。
おぉ…まだ生きてる…。
下処理は、塩もみ洗いしてヌメリを落としたあと、タテに包丁をいれて中のワタを洗い流す。
「ケツの穴」といわれるものに包丁を入れる…
おもわずイテテテテ…と思ってしまう。笑
しかし意外にも、非常にシンプルな下処理です。
そして食べてみた後で思えば、このワタもそのまま食べてもよかったかな。
そんな気がします。
珍味ワケノシンノスの食べ方いろいろ。
さて、下処理をしたということは、、、食べますよ。笑
いろいろ調べてみて、味噌煮込み・味噌汁の具・唐揚げがよいという情報が多かったです。
ということで、お刺身・味噌煮込み・唐揚げ・天ぷらで食べてみることにしましょう!(増えとるやん!)
お刺身
あまりどこでもオススメされていなかった、そのままお刺身で食べるという方法。
ただ届いた時点で生きてたので、やってみたいなーということに。
初のワケノシンノスは、お刺身で。
15年間、待ちに待った瞬間。
いきます、はむっ。
ぬぬぬぬぬ…
これはおもしろい!!!
中はふわふわ外はザクザク、味はアワビ。
とにかく踊るような食感がおもしろい、こりこりザクザクふわふわとろり。
味は、海藻をたべている貝類のそれらと同じで、磯の香りがたっぷりなんだけど、意外とクセは強くない。
ワサビを効かせるとなお良し。
これは旨い…。
ただ、生食はやっぱり恐いので、自己責任で。
唐揚げ
これはよい食べ方だった!
下味をつけずに片栗粉をつけるだけでシンプルに揚げて食べる。
お刺身のときの楽しい食感が残ってくれて、さらに中がホクホクとろりとする感覚。
あっ!これはカキフライのような感じ!
それにコリコリザクザク食感を組み合わせたような、なんとも至福の食べ物となってくれました☆
味噌煮込み
本来は白みそで作ることが多いようなんだけど、いま八丁味噌しか手元になくて…
ウチの店のうどんだしをベースに、八丁味噌、みりん、酒、上白糖、しょうゆなどで調味して煮込んでいく。
すこし煮詰まりはじめたところで完成。
あまり煮すぎると身が縮みきってしまう。
味噌の濃いめの味付けで、なるべく短時間で仕上げるのがよさそうです。
お味は…
凝縮された身のコリコリ食感がよく、そして味噌で磯の香りがほぼ消されているので、これをホルモンの味噌煮だと言ったらほぼ誰もが信じるのではなかろうか。
まさかイソギンチャクだとは思わないだろう。笑
初めてでちょっと抵抗あるなー、という方はまずこの味噌煮込みがオススメです!
天ぷら
さきほどの唐揚げもよかったけど、よりイソギンチャク感を残すのであれば、この天ぷらがいいですね。
天ぷらは、揚げるときに衣のなかで蒸されるので、火は通るけど水分は飛ばさずにプリプリした食感を楽しめました。
ワケノシンノスの味がよくわかり、かつ火の通っている安心、そして衣のサクサクもいい。
天ぷらがいちばんオススメかも!
結論「ワケノシンノスは味噌煮と天ぷらで!」
カキフライのような味わいにコリコリザクザク食感をあわせた、天ぷら。
ぎゅっと縮んで凝縮されたホルモンのようなコリコリ食感と、食べやすい味つけの味噌煮込み。
この2つが、僕ぼっくり的オススメの食べ方に決定いたしました!!
いまや通販で販売されているワケノシンノス。
海の肛門チンポコ生物を、食べたい方。笑
すごい時代です、通販で買えます!
おいしいかどうか、感じ方は人それぞれ。
一歩も二歩も踏みこんだ珍味の世界をのぞきたい方は、どうぞ。
そしてそういう方には、やっぱりこれを読んでほしいなぁ。
読んだら食べたく…はならないけど。笑