いつか、ただ窓からボーっと外を見てた時のこと。
どこからともなく、窓のサッシにてんとう虫が歩いてきた。あのムラのない足の動きで。ふふ~んふ~ん、と鼻歌が聞こえてきそうなくらい、のんきな光景やった。ずーっと西方向に向かって歩いてるてんとう虫を目で追ってると、そいつはいきなり反転して、元きたサッシのレールを戻りはじめた。
・・・すると一体こいつはなんで今までサッシのレールを西に向かって一心不乱に歩いてたんやろう、と思った。なぜ反転して戻りはじめたんや!?一体そこで何があった!おい!おいっ!!と激しく問いつめた。返事はない。虫だから「あっいけね、忘れもの」ってはずもない。なにを考えて反転したのか。んー。つくづく虫っていうもんの気持ちは分からん。
そんな事考えながらてんとう虫の背中をずーっと追ってると、そいつはふと立ち止まり、ぷいーと飛んでいってしまった。んー。どうせ飛ぶならチマチマ歩かずに最初から飛べよ!とまた激しく思った。あぁ、虫に産まれなくてよかった。
虫ならまだしも、アメーバみたいな単細胞生物になるともう全くもって分からん。いったい何が目的であのヒダヒダをせわしなく動かしてるのか!!いきなりプツンと千切れて2体になってみせたり、いったい何が目的だっ!!!おいっ!!・・・はぁはぁはぁ
じゃあ一体おれは何が目的で生きてるのかと聞かれれば、ものすごく困る。だから、このへんで虫とか微生物を問いつめるのはやめようと思う。