しとしと雨の中、傘をさして柴犬ケンタの散歩に出た。傘の恩恵に授かれないケンタはもちろんビショビショやねんけど、こいつは平気みたいで。いつものように神社の裏山の林道を歩いてると、ん?道の先に玉が3つあった。近づいてみたらそれはボーリングのボール。なぜこんな山道にコイツがあるんや・・・。しばらく呆然と眺めながら考えてみたけど理由なんてもちろん分からん。しだいに俺の脳みその中では「珍しいから持って帰ろう」っていう考えになっていった。が、しかし。コイツを持って帰って一体どうするのか、って問題が俺に襲いかかってきた。んんん・・。するとそこに「マイボール」っていう言葉がキラキラ輝きながらチラついてきた。
いい響きだ、マイボール。よし、コイツの重さが自分にピッタリなら持って帰ろう!と、目をキラキラさせた瞬間、俺の視界にケンタがよっこいしょう、と割り込んできて、3つのボールに勢いよく小便をぶっ放した。
夢は崩れ去った。
ボールぽん
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