行列のできる歯医者

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最近通ってる歯医者にはカワイイお姉さんがいっぱいいる。

受付のお姉さんとか、歯科衛生士のお姉さんとか。

外見で採用決めてるんじゃないか?とか思うけど、そんなことはどうでもよくて、むしろ大賛成だ。

がんばれ。

これからも期待してるよ若旦那。

 

そんな歯医者の待合室は当然ながら若い男だらけ。

髪の毛とかビシッとキメた奴とかもいるし、服装もなんとなく小洒落た感じの奴が多い。

僕はさっき犬の散歩に出たそのままの格好。

で、みんな受付でだらしなく目元口元を緩めてる。

僕も例外ではなく、受付のお姉さんとだらしない顔で軽い談笑なんかしながら次回の予約と支払いを済ませた。

 

出口に向かう途中で待合室の男と目が合った。

目が合ったというより、ギッと睨まれてる感じだった。

その男は談笑してる俺の背中あたりからずっと睨んでたんじゃないかな。

コンチクショウ!とか思ってるんかな。

敵意むき出しすぎ、顔に出すぎ。

なんか妙におかしくて、目が合ったまま俺はニッと笑ってしまった。

 

男はすぅーっとのけぞってしまい、細く睨んでた目は丸くなってしまった。

 

祇園のスナックでバイトしてた時の光景が頭に浮かんだ。

ここは歯医者。

スリッパを脱いだ僕の靴下には犬の毛がピロピロついてた。