【三重県の釣り】正月は紀伊長島へひとり車中泊釣行【1月】

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いまは正月、三が日。

ふと思い立って、車中泊での釣り旅に出てみた。

 

オクサマやムスコたちは秋田県の実家にスキーをしに行っていて、僕ぼっくりはちょこちょこ仕事があるので家に残ったのだった。

しかしいざ監視の目がなくなると、ぜーんぜん仕事をする気が起きない。笑

だから思い切って、太平洋へと車を走らせたのである。

 

ここは三重県の紀伊長島。

のんびり車を走らせること4時間、15時頃に海が見えた。

ここは三重県、紀伊長島の海である。

いつも釣りといえば日本海側に向かうのだが、せっかくできたひとり時間なので、いつもと違うところに行こうと思った次第。

はじめての場所で、いま何が釣れるのかも知らない。

いつもの万能釣具セットでなんとかしよう、という魂胆だ。

小さな漁港に着いて、ひとまず堤防を歩いてみる。

釣り人は2組しかおらず、閑散としているなぁ。

いかにも玄人っぽい色黒のオジサンに「釣れますかー?」と聞くと、苦い顔をしながら首を横に振った。

こちらはいかにも素人っぽい、色白のオジサンである。

玄人が釣れないって言うんだから、まあ素人には釣れないだろうな。

あんまり釣果には期待せず、いつも通りこの海の雰囲気を楽しむとしよう。

 

期待はしてないけど期待しちゃう素人。

僕はそうそう何度も海に来られるような場所に住んでいない。

どこの海に向かおうとも、片道2時間以上はかかる内陸地である。

だから期待できないとはいえ、期待しちゃう。笑

「きっと釣れないぞー」と肩のチカラを抜こうとはするものの、勝手にふくらむこの気持ち。

ついつい準備をする手が急いでしまう。

いやー何やかんやで期待してるんやねー、と自分の動きに笑いがでてくる。笑

さて。

何が釣れるのかも分からない海をまえに「まあひとまず」とか小さくつぶやきつつ、そのわりに素早く仕掛けを投入したのであった。

 

釣れないときの気持ちの行方は。

まあ案の定、釣れない。

とはいえまだ日が高いので仕方ないな、日が落ちる前後が勝負だな、とか思っていた。

メタルジグワームなどで広く探ってみたが、反応はない。

エギでイカを狙ってる人もいたけど、やっぱり釣れてないみたい。

ちょっとそのまま立ち話になったが、今日のことよりも去年の釣果の話に花が咲いたくらいだ。

イカの釣れた跡「スミ跡」もだいぶ薄くて、ずいぶん前の痕跡のようだった。

そうこうしてるうちに狙いの日没をむかえ、エイヤーッ!とあちこちに仕掛けを投げては素人のホンキを発揮してみたが、まあ釣果はゼロである。

あっ大丈夫だよ、最初から期待してなかったから!!

 

もう寒さで心が折れたから、いさぎよく納竿。

こうなると俄然、今晩の晩酌をどうするか問題に気持ちがゆく。

オカズになるはずの魚が釣れていないので、地元のスーパーを探して行ってみることにした。

 

正月気分の車中泊晩酌。

お正月のスーパーはいろいろと値段が高い。

おめでたい高級品ばかりが並ぶからだろう。

こちらは刺身のサクの1つ2つでもあれば良いかと思っていたが、そんな気軽なものがほとんどなくなっていた。

残っていたのは、ファミリーサイズの大きな寿司セットが3つ。

これしか残ってないかぁ…と苦悩していると、そこにペタッと「半額」のシールが貼られた。

じつは横並びに3人のオジサンが僕と同じように苦悩していたのだが「半額」をきっかけに全員がそれを手に取ったので吹き出しそうになったじゃないか。笑

もちろん3人のオジサンの1人は僕である。

また海辺に戻ってきたものの、その寿司セットは48貫も入っていた。

(写真はすでに2貫食ったところ)

とても食える量じゃない。

なので足の早そうなものを優先して食い、残ったものはクーラーボックスに入れておいて朝食にすることに。

 

車中で大量にある寿司を食いつつ、缶ビールをあおる。

すぐ目の前の漁港では、まだ玄人のオジサンたちが寒空の下で明かりを灯しながら釣りを続行していた。

僕はそんなゆれる明かりを窓に見ながら、車中であったかい寝袋に足をつっこんで晩酌をしている。

そうだ、このイカとエビはとっておいて、早朝の釣りエサにしよう。

そうだそうだ、とひとり頷きながら、ひとりゆっくりと酔いを深めていった。

 

風呂に入りたくなったが遅い。

腹もふくれて適度に酔っぱらい、さあ熱い風呂にでも入って寝たい!という状況である。

ここに来る道中に「古里温泉」なる温浴施設を見つけていたので行きたくなったが、そうか僕は酔ってしまっていた。

もう車が運転できないじゃないか。

「うーーーん」と、ひとしきり唸ったあと、しかしどうしようにもないわけで。

もう寝るしかないのだ。

21時の今から寝たら、いつもの朝4時には自然に目が覚めるだろう。

そしたら魚の釣りやすい朝マヅメの釣りができるじゃないか!

ちょっと風呂でぽかぽかに温まってから眠りたかったけど、ここは仕方ない。

最近買った、安いのに暖かい寝袋にくるまって、いろいろ考えずにとっとと寝てしまおう。

 

朝マヅメの素人のホンキ。

21時に寝て、4時に起きる。

これは僕のいつもの睡眠サイクルである。

ぬくぬく寝袋でぐっすり眠れて、いつもどおり自然とアラームの5分前に目が覚めた。笑

 

防寒をしっかりして、いざ堤防へ。

今日は秘密兵器があるからなフフフ…

そう。

昨晩に残しておいた、寿司ネタのイカとエビである。笑

針につけやすく、小さめに切っておいた。

コイツをいつもの胴突き仕掛けにつけて、底のほうに沈めるだけだ。

竿先につける小さな明かり「ケミホタル」を忘れていたので、ランタンで竿を照らしておく。

これで魚の反応があれば、竿先の動きで見てとれる。

そして待つ、寒い。

 

クククッ…と竿先が引きこまれた。

獲物ひとつめは、小さなアナゴだ。

うーん、小さい…。

けど初アナゴだったので、捌いて食べてみたくて確保。

 

そしてまた待つ、寒い。

獲物ふたつめは、小さなガシラ(カサゴ)。

体は小さいのに、腹パンパンやな。

ガシラはいつも食べてるので、こいつはリリースだ。

 

空が白んできた。

しっかし寒いな。

出発前の天気予報で、気温が高くて風も弱いのを確認してきたのに、コレである。

自然の前では、つねに最悪寄りの予想をしておいた方がいいな。

昨日もいた玄人のオジサンが「寒いねぇー!」と言いながら、まるで引っ越しでもするような量の釣具一式をキャリーに載せて引いてきた。

並んで釣りをするものの、もうこちらは寒さで戦意消失している。

寿司ネタでの釣りを笑われつつ、まだちょっと残ってる大物狙いの期待によってメタルジグも投げてみたりしたけど、いよいよ寒さに疲れて納竿した。

素人のホンキなんて、こんなもんだ。

 

軽バンで飯食ったり仕事したり昼寝したり。

日が昇ったら、一気に暖かくなってきた。

車の窓を開け放って、海の空気をとりこむ。

ここちいい陽気のなかで昨日の残りの寿司を食い、ちょっと昼寝をしたら、パソコン仕事をすこし。

海を眺めながらのお仕事は、気分がいいなぁ。

スタスタと指がすすむ。

10年以上も乗ってる、このオンボロ軽バン。

子供のできる前までは、夫婦でよく車中泊旅をした。

今は子供たちも大きくなってきたしホントは大きな車に乗り換えた方がいいんだろうけど、どうしても愛着があって手放せないんだよなぁ。

快適じゃないんだけど、コイツが好きなんです。

 

さあ仕事も一段落したし、昼寝のあとで集落をちょっと散歩してみよう。

 

紀伊長島のちいさな集落を散歩してみた。

昼寝から覚めて、ちょっと散歩に出てみた。

海辺の小径ってのは、どこも似てしまうのだろうか。

この感じが好きで。

僕はとくに、独特の文化をもつ離島の風景が好きだ。

三重県の離島にもいくつか渡ったなぁ。

でもここは似ていても本州本島で、電車なんかも通っている。

紀勢本線、おぉー遮断機のない踏切だ。

 

ざくざくざくと集落をまだ歩く。

潮風から建物を守るための生け垣がうつくしい。

 

お、また踏切。

海からすこし離れたって、どこもかしこも潮風が転がっていた。

ノスタルジックな光景がずっと続いているが、これも現在進行形の村のすがたである。

なんだか力をもらえるんだよなぁー。

好きだわ。

 

海よ、またしばしサラバだ。

また浜にもどってきた。

うん、しっかりパワーを溜められたぞ。

そろそろ夕マヅメの釣り時になるが、楽しみの続きはまた春にとっておこう。

海風をたっぷり吸いこんで、しっかりカラダに溜めておいた。

よし。

また愛車のオンボロ軽バンで、4時間ののんびりドライブだ。

海よ、またしばし!

サラバだ~!