5日間の釣り車中泊旅へ
12月29日。
2024年の、年の瀬である。
僕ぼっくりは、秋田に帰省するオクサマやムスコたちとは別行動で、5日間の釣り車中泊旅に出た。
滋賀を出発して途中で買い出しなどをしながら、旧型セレナを走らせること4時間。
やっとこさ海との対面である。

三重県の大泊というところ、紀伊半島を時計に例えると4時くらいの位置だろうか。
本当はもっと小刻みに2時くらいの位置にある「津」くらいからジワジワと釣りをしつつ南下していく予定だったのだが、いきなり初日からグングン進みたくなってしまい、こんなところまで来てしまった。
今日はおそらく3時の位置の「尾鷲」くらいで車中泊釣りかな?と思っていたのに、すでに通過している。
ただいま正午過ぎ、まだまだ進むぞ。
車中泊地と釣り場さがし
とはいえ進むだけでは1日で紀伊半島を一周して終わってしまう。
ゴロタ石の浜が長ーーーくつづく「七里御浜」のすばらしい眺望を左手に見ながら、ここは美しいけど僕が釣りをしたいのは漁港や堤防なので、ながめるだけで通過する。
さあどこで釣りや車中泊をしようか。

新宮のあたりは地図上で予めチェックしていた公衆トイレと駐車場があって立ち寄ってみたが、なんか違う。
釣り人もいるしトイレもあるしスーパーもダイソーも近いし便利そうだが、なんというか「釣れそう!」という雰囲気がない。
立入禁止の場所も多い。
コンビニ弁当を食べつつしばし海をながめて考えてみたが、もっと南下することにした。
たぶん僕はいきなり本州最南端の「串本」に行きたいのだ!
それは釣り人にとって、ひとつの憧れの釣り場だからである。
あこがれの串本での釣り
那智勝浦や太地、古座などを通り過ぎ、いよいよ見えてきた串本。
5日間の紀伊半島一周旅のはずが、いきなり半分、6時の位置まで来てしまった。
紀伊大島がドン!と浮かぶ海は、これまで釣り番組で何度も見てきた風景だ。
ドキがムネムネするじゃないか。
そう。
この高揚感をもとめて本州最南端の地「串本」を目指していたのだ。
あらかじめチェックしていた公衆トイレ横の駐車場に車を入れ、はやる気持ちをおさえつつ早速釣りの準備をする。
時刻は16:30、日没まで時間がない。
竿にリールをセットし、ポケットに道具一式を仕込んであるライフジャケットを背負って、いざ!

リールはダイワ 23レグザ LT2500、
ラインはPE0.6号にリーダー2号、
ルアーはメタルジグ10g。
いわゆるライトゲームってやつだ。
ひとまず沖の紀伊大島にむかってオリャッ!とキャスト。
着底まで待つ…だいぶ待つ…おぉーなるほど。
深いぞ。
岸からこれだけ水深のある場所にルアーが届けば、そりゃいろんな魚が狙えるわけだ。
人気の理由が分かったね。
メタルジグを着底させたら数回しゃくって、また着底させてしゃくって…を繰り返し探っていく。
トトトン!と細かくたたくようなアタリをすかさずアワセると、かわいいオオモンハタ!

ホントにこのかわいいサイズのオオモンハタに好かれた一年で、もしかしたらハタ類しか釣ってないんじゃないの?って思えるくらいだ。
もっと大型の魚種をねらうには、いろいろ変えないといけない部分があるんだろうな。
だけど、僕はこのライトゲームが好きなのだ。
初日の車中泊はなんとも…
あっという間に日没をむかえ、車にもどる。
今回の釣り旅では、夜釣りをしないことに決めていた。
初めての場所ばかりだし地形も分からず危ないのと、あとは寒いから。
暗くなったら釣りをやめて、車のなかでメシ食って酒飲んでとっとと寝るぞと決めたのだった。
缶ビールだけは不足がないよう、ここまでの道中で1ケース買ってある。
夜は好きなだけ飲むぞと、これまた決めてきたのだ。
僕はとことんアルコール脳である。
さあアテ…じゃなかった晩メシを用意しないといけない。
歩いて8分ほどのところに地元のスーパーがあるようなので、散歩がてら買い出しにいこう。
海辺のスーパーだからと大いに期待していたが、到着したそこは活気がまるでなく閑散としていた。
とにかく売り物に元気がない。
いちばん賑わってそうな時間帯だが、僕をふくめて3人しかお客はいなかった。
売り場をぐるぐる回ってみたが目を引くものはなく、というか品物がひたすら少なく、仕方なくカツカレー弁当を買って車に戻った。

うん、思ってたんと違う。
もっと地魚の刺身でにぎやかな宴になるはずだったが、この落差は…
こういうときは、とっととメシ食って屁こいて寝るにかぎる。
まだ5日間の旅は始まったばかりだし、明朝の釣りからホンキで楽しんでいくぞ!
紀伊半島をゆっくり一周していくはずが、初日からいきなり半分も進んでしまった今日。
缶ビールを数本ぐいっとあおり、そそくさと歯磨きションベンをして、道中の絶景を思い出しながら眠りについたのであった。
つづく