三重県志摩市での夏休み!深谷水道などでマイクロジギングなどなど。

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我がうどん屋の営業もあり2泊3日というわずかな日程で、伊勢志摩へと家族旅行に出かけた。

急に思い立った旅行だったのですでに宿に空きがなく、ネットで星評価1という(!)びっくりの素泊まり宿を予約したのだが、その実態やいかに…

と、そんなところは注目じゃなくて、海水浴と釣りと食事がメインの目的である。

では出発!

 

宿泊地は船越前浜海岸すぐ

宿の目のまえは、とても気持ちのいい浜だった。

チェックインまでの間ここで遊んで、さらにこの浜にある「Abulon cafe」で昼食をとっちゃおうと。

そういう計画であったが、カフェは今日はやってないんだって。

いかにも海の家っぽいカフェは、お店の人らしきオジサンはいるものの喪中で今だけ休んでるんだって。

ネットで調べてきた伊勢海老カレーを食べたかったが、それは仕方ないね。

食材を仕入れてないから食事はできないけど「申し訳ないねぇ…」といってカキ氷をふるまってくれた。

うちのコドモたち大喜び!

地元の子供たちが元気よく泳いでるけど、人はかなり少なめ。

「南海トラフ巨大地震臨時情報とやらが影響してるんじゃないかなぁ」とカフェのオジサンは言っていた。

ちょっと泳いでみたけど、場所によっては大人でも岸から5mほどで足がつかなくなる地形。

コドモたちは浮き輪かライフジャケット必須だね。

まあどこでも注意は必要だけど、ここ志摩は外洋だし特にね。

 

オトーチャンぼっくりは、ちょっとここの堤防で釣りを。

いつものライトタックルでどんな魚がいるか探ってみる。

うん、小さなフグがつんつんと突っついてくるだけで、なにもなし。

地元の子供たちが「ここは夕方アジがたまーに釣れるだけ!」とケラケラ笑ってた。

そうなのかー。

宿の目のまえだから、何か釣れるところだと嬉しかったんだけどなぁ。

ちょっと歩いてゴロタ石のサーフも狙ってみたけど、ここも反応なし。

台風通過のうねりがすこし入っているようで、ちょっと厳しいかなぁ。

 

しばらくするとチョーナンがもう着替えていて「宿いこうよ!」と呼びにきた。

そだな、そうしようか。

さて、どんな宿だろうね!

 

お宿で海鮮バーベキューだ!

宿はすぐそこで、歩いて1分もかからなかった。

青い壁の目立つその素泊まり宿に着いてチェックインしたいのだが、誰もいない。

フロントには「夕方から海鮮バーベキューやります、カンパ制。」と書いた紙が置いてあった。

買い出しにでも行ってるのかな?

 

素泊まり宿なのでウチもなにか食材調達に行かねばならぬ。

ということで近くのスーパーにいき、戻ってきたら宿の主人も帰ってきていた。

「海鮮バーベキューやるからぜひ来てね!」と、とても気さくで感じのいいオッチャンであった。

シャワーや着替えをすませて広場におりるとバーベキューが始まっていて、すでに宿泊客も何組かあつまっていた。

魚や貝やエビやイカなどの海鮮や、牛豚鶏などの肉やウインナーなどなど、いろんなものがどんどん焼かれていく。

飲みものは各自で持参となっており、僕もぐいと缶ビールをあおる。

海風と、海の幸の焼けるイイ匂いと、にぎやかな歓声にビールがうまい。

たしかにこの宿は掃除のちょっと行き届いてない部分があったり、勝手の独特なところも感じられたけど、良い宿じゃないか。

わが家は初日からとっても気に入ってしまい、2泊3日を楽しみつくすぞー!と声を揃えたのであった。

 

深谷水道マイクロジギング

ここ伊勢志摩の海は、基本的に夜釣りが禁止されている。

海女さんの活躍するこの海域は伊勢海老やサザエアワビなどの貝類がたくさん獲れるようで、密漁を防ぐために夜間は海に近づいてほしくないのだろう。

具体的にいったい「夜釣り」とは何時までで、ここでいう「朝」は何時からになるのか?

気になっていたので宿の主人に訊くと「日の出から日の入りまでが釣りのできる時間だよ」とのことだった。

 

朝4時半にアラームで起き、僕とチョーナンで朝釣りに出かけた。

向かうは英虞湾と外洋をむすぶ「深谷水道」だ。

日の出はおよそ5時。

釣り座には早く到着したがまだ日が出るまでは釣りができないので、ラインにルアーを結んだり準備しながらチョーナンとお喋りし、のんびり過ごす。

英虞湾からこの水道をとおって、漁船や遊漁船がたちが2分おきくらいに出発していく。

ひっきりなし、というやつである。

これは釣りをはじめても、船がくるたびにルアーをいそいで回収しないといけないなと…

さあ日の出の時刻をむかえた。

僕ぼっくりとチョーナンは、ならんでメタルジグを投げる。

まず表層からさぐり、中層へ、そして海底へ。

さほど水深のないこの水道の出口あたり、ボトムで「コンッ…」と小さなアタリがあった。

すかさずアワセると、グッグッグーッとよい引きをみせて揚がってきたのは、30cm弱のフエダイ!

「おぉぉぉぉっ!!」と二人して声をあげ、ひとまず活かしバケツに確保。

そしてまた続くかもしれないと思って目尻つりあげてメタルジグを投げるが、そのあとが続かない。

船が通る2分おきにルアー回収のためリールを早巻きするのにも疲れてきて、チョーナンはすぐに集中力を失ってしまった。

うーん、海のルアー釣りではじめて魚を釣らせてあげたかったんだけど。

ふとフエダイのほうに目をやると…なんか顔面蒼白になってるやないか!

ベージュのバケツに擬態しようとしてるのか?それともストレスか?

なんか可哀想になってきたし、それほど大きくもないので、逃がしてやることに。

海に放つと、ピャーッと元気に泳いでいった。

その後のチョーナンはジュースを飲みながら、船が近づいてくるのを知らせてくれる役になった。

僕はチヌ(黒鯛)狙いのためにクローワームのフリーリグに切り替えたが、キャストのたびに食いちぎられたワームが返ってくる。

どうやらフグの活性がかなり高いみたいだ。

仕方なく鉄板バイブでボトム付近を狙うものの、いよいよチョーナンの帰りたいオーラが強まってきたので納竿となった。

朝5時から1時間半ほどの釣りであった。

そして釣り座から車にもどる途中、僕とチョーナンの横をずーっと悠々と併走してくるチヌの姿が。

なんとも皮肉ぅー!笑

でも楽しかったから良しと!

 

あの「みさきの家」があった

宿までの帰路をみるために地図アプリを開いていると…あれ?

奥志摩みさきの家…??

これって、京都の小学生が課外宿泊活動で行くあの「みさきの家」じゃないの!?

釣りをした深谷水道のとなりにあったのは、まさにあの「みさきの家」だった。

ちょっと調べてみたのだが、1981年に開園してから去年までの42年間、京都市の小学生をずっと迎え入れてきたのだという。

えっ…閉園したのか…そして僕ぼっくりと同い年だったのか…。

2024年8月現在、京都市教育委員会から跡地活用に係る契約候補事業者の募集が行われている。

閉じられた鉄門の外からみた光景は、まったくあの頃とおなじまま時だけが止まっているようだった。

小学5年生のときに来た以来の、オッサンになった僕ぼっくり。

チョーナンに記念撮影をたのみ、悦に浸っていると…

気がつかないうちに背後にせまっていた軽トラのオニーサンが通りたそうに「ごめんねー」と声をかけてきたので、僕は「あっすいません!」と車を発進させた。

今思えば、オニーサンに今のみさきの家の内部のことを聞けばよかったな。

バックミラーに遠ざかる「みさきの家」を小さくとらえながら、色んな思い出がよぎっていた。

 

宿に帰るとジナンとオクサマがやっと起きたところのようで、みんなでカンタンな朝食をとる。

今日は3日間の中日、和具の海に泳ぎにいくぞっ!

 

和具広の浜を満喫す

おそらく賑わいも最盛期のはずの海岸には、ポツポツとしか人がいなかった。

ここもまた南海トラフ巨大地震臨時情報の影響か。

場所取りなどに焦る必要はないのだとわかり、泳ぐまえにひとまず周囲にある商店などを巡ってみることにした。

昭和のままの雰囲気をのこした和具の町は、ただ歩いているだけでも旅情たっぷりで良い。

突如として家にボディボード(というかほぼビート板w)を忘れてきたことに気付いたジナンが「ボディボード買って!」と騒ぎだしたが、和具にボディボードはなかった。

たしかにいま有ったら、台風通過のうねりが楽しめたかもしれないね。

町をおさんぽし、昼食をココで食べようと見つけていた「お食事処ひでちゃん」を確認し、また広の浜にもどった。

さあ泳ぐぞ!

ジナンが気合いたっぷりに「全員分の浮き輪を持つ!」と名乗り出た。

つい親バカに「なんと頼もしい!」と思ってしまったが、そうか浮き輪は一番軽いんだったダマされた!

やるなジナン。

台風通過といっても数日経つからか、うねりがほぼ消えている。

ぷかぷか浮かんであそぶムスコたちを捉えながら、ワタクシぼっくりはこの小さな堤防にきた。

ここから飛び込んでムスコたちの注目と憧れのまなざしを浴びるためである。

堤防の先っちょで「飛び込むよー!見てー!」と叫んだが、チョーナンがチラッとこちらを向いて手をあげただけで、またそれぞれの遊びに熱中していた。

ワタクシはしずかに、だがしかし豪快に水しぶきをあげて飛び込んだ。

ズレる水中メガネの端から肉眼でみた、ぼやけた海のなかは碧く美しかった。

そして海面に浮かびあがって見たムスコたちの姿は、やっぱり向こうをむいて何かに熱中していた。

 

和具漁港でナニを釣る

コドモたちが砂浜で遊びはじめたので、オクサマにまかせて僕は漁港のほうへと向かった。

広の浜と漁港は隣接しているので、ここは釣りも泳ぎも両方たのしめる。

いいところだ。

外洋に面していて潮通しがとてもよく、大物も狙えることから、和具漁港は人気の釣りポイントだと聞いていた。

だがどうだ、誰もいないぞ。

どのポイントも入り放題である。

これも南海トラフとやらの影響か。

一応わが家も、どこか行くたびに徒歩圏内の高台やルートを調べておいたが、この漁港には避難タワーがあった。

おそらくこの漁港の1級ポイントである赤灯台のところで、いろんなルアーを投げてみた。

水面からかなりの高さがあるこの堤防からは、投げたルアーがたくさんいる魚たちにガン無視されながら泳いでいるのが丸見えである。

しばらくガマンして見ていたが、無視されつづけるルアーがだんだん可哀想になってきて、ルアーボックスに戻してあげたのだった。

釣りというのはナニかが釣れなければ、それはただの竿の素振りである。

真夏の真昼の釣りの難易度、雑魚釣り師の僕の腕前…

ムリなのっ!

さあ浜へ帰ろう。

なにも釣れずに戻ってくる姿には、すぐに気がついてくれるんだなぁ。

 

Stop by Joe というオアシス

昼時に浜からは誰もいなくなり、我が家だけになった。

1時をすぎて、ぱらぱらと人が戻ってきた。

イヤな予感がして、昼食を予定していた「お食事処ひでちゃん」に急ぐと…

すでに売り切れているじゃないか。

イヤな予感はしっかり的中してしまったのだ。

そしてお盆ド真ん中のいま、ほかに営業している店がなかなか見つからずに困ってしまった。

 

仕方がないので、すこし遠いが明日行予定にしていた店に向かうことに。

車を20分ほど走らせた波切漁港のすぐにある「Stop by Joe」というカフェレストラン。

閉業して放置されていた真珠宝飾店を改装したという店内はとてもオシャレで、みんな嬉しくなって先ほどの落胆の表情はすっかり明るくなった。

新しさと懐かしさが同居する、心地のよい空間だ。

1階で注文をすませ、見晴らしのよい2階席でゆったりと料理を待つ。

風景を絵画のように切り取る、大窓からの眺望がすばらしい。

オクサマとチョーナンはパスタを、ジナンはお子様ランチを、僕ぼっくりはバーガーをチョイス。

ほどなくして、お子様セットがきた。

もうハラペコなジナンは皆の料理を待つことができない。

ヨーイドン!と言われたように食らいつく。

パスタが到着する頃には、お子様ランチはほぼ無くなっていた。

そして僕のバーガーが届く頃には、お子様ランチでは足りなかったジナンが背後にせまるのを感じながら、とにかく一口目だけは奪われまいと必死に食らいついた。

二口目からは…

 

海鮮BBQふたたび!

腹を満たした3人をのせて、腹の満ち足りない僕だけスナック菓子をかじりながら運転する車は、青い壁のお宿に帰っていく。

帰りつくと広場ではまたバーベキューの用意がすすんでいて、主人は「今晩もやるよ!きてね!」と声をかけくれた。

シャワーをあびてスッキリした我が家はまた、バーベキューの待つ広場へと向かった。

昨日よりも宿泊客が多いようで、また子連れのファミリーも多い。

ウチの子たちもすぐに打ち解けて、子供たちみんなで焼き係をやってくれた。

それを見守りながら大人たちは酒を交わし、どこから来たのーとか、今日どこで遊んだのーとか、子供たちの話題とか、大人は大人で話しに華が咲いて。

各ファミリーみんなやっぱり持ってきている花火を出してきて、一緒に楽しんで。

コドモたちにもすごくいい思い出になったみたい。

星1つだなんてとんでもない、いい宿じゃないか。

「また来ようね!」とみんな口々に言っていた。

 

そう、明日はもう帰る日なんだな。

 

海づくし旅行の最終日

帰る日の早朝、ひとりで宿の目のまえの船越前浜海岸に出てみた。

手には竿、心には夢。

地元の少年たちが言っていた「たまーに釣れるアジ」を釣ってみたかったのだ。

見渡すかぎり誰もいない海で、ひとり竿を振る。

竿を振る、竿を振る、竿を…

すっかり日の昇った頃には、いつのまにか海を眺めていた。

今朝もいい素振りだった。

 

宿に戻ると、みんなまだ寝ていた。

しずかにつけたテレビでは、南海トラフ巨大地震臨時情報とやらがひとまず終わるよ、という話だ。

チェックアウトをしようと宿の主人を探したけど、またいなかった。

フロントのカウンターに鍵とメモ「ありがとうございました、またかならず来ます!」を置いて、きのう予定外にもお昼向かった波切漁港へ。

ここで釣った魚を家に持って帰ろう!という作戦である。

しかしここもまた人がぜんぜんいない、この漁港もまた大人気の釣り場のはずなんだけど。

先行して釣りをしていた2人組は、われわれの目の前で大きなアジをぽんぽん釣り上げている。

そして満足して2人が帰っていくと、ついに我が家だけになった。

チョーナンはベラを釣り上げると、すぐに満足して他の遊びに行ってしまった。

おい!早すぎる!

ジナンはルアーを投げることにハマってしまい、投げてはすぐに早巻きして回収している。

おい!早すぎる!!

オクサマは次々とフグを釣ってはまたエサのオキアミをつけて矢継ぎ早に投下し、もうすぐエサがなくなりそうだ。

おい!早すぎる!!!

背後で「釣れた!」と叫ぶジナン。

満足げにこれを見せつけてきたところで、われわれの早すぎる釣りは終了したのであった。

なぜなら…

おい!暑すぎる!!!!

 

みんな海の碧をたらふく目に焼き付けたので、またしばらくエネルギーたっぷりで頑張れるだろう!

伊勢志摩の海、ありがとう!