椎名誠さんと乾杯をしに「 新宿3丁目まつり 」へ!
怪しい雑魚釣り隊 20周年イベントである。
小5のとき自分で初めて買った本が、
シーナさんの「わしらは怪しい探検隊」
だった。
以降もう何百冊というシーナさんの本を読んで、僕をここまで育ててもらったと言っていい。
「絶対に会いたい!」と強く想える人物は、僕にとって唯一、シーナさんだけだ。
学生の頃、一度シーナさんの講演会の抽選に当たっていた。
だが主催が関西電力だったこともあり「あぁいつもの督促状かな」と届いた封筒を開けずに放置し、数ヶ月後に【当選】の文字をみて唖然としたことがある。
まあそれくらい学生の頃は貧乏だったよなぁ、遊び呆けていたし。
それから何度か応募してみたものの、人気の高さに【当選】を見ることはなく、そしていつしか応募すらやめてしまった。
気がつけば42歳にもなってしまっていて、いよいよ会える機会も少ないのではと急に焦って動き出した。
そしてようやく2024年の3月に千葉での講演会にて、はじめてシーナさんを肉眼で見た。
そう、見て声を聴いた…だけだった。
コチラから何も発することはできず、すべてシャットアウトされて幕を閉じたのだ。
まあまあの落胆をかかえ「でも見れたよね」と自分を納得させようとしたが、なかなか収まらなかった。
そのすぐ後に、この新宿3丁目まつりの告知を見る。
ウチのオクサマやコドモたちに頼み込み、店の従業員にも了解を得て、お客様にも告知をし店を休んで、今回シーナさんに会いに行った。
そしてやっと、ちゃんと「会った」。
会って話しをした。
僕の宝物の「わしらは怪しい探検隊」にサインをいただき、握手をし、これまでの想いや喜びを伝えた。
そしてなんと、僕の手打ちうどんを食べてもらう約束までできたのだ。
事務所宛てにおうどんを届けさせてもらう話しをし、連絡先をお聞きした。
丁寧に丁寧に、心を込めてお届けしたいと思う。
会はほんとに盛況で、
まずはシーナさんのトークライブからはじまり、雑魚釣り隊メンバーZAKOさん率いるZAKOMBOのライブと続き、そしてシーナ本の作中にたくさん登場する居酒屋「池林房」での酒宴という流れ。
宴会も大いに盛り上がり、参加者同士の話はとめどなく。
そりゃそうだ。
同じ本を読み込んできた濃厚な読者さんたちばかりだから。
延々と話しをしていたかったが、日曜開催なので参加者さんはみな翌日仕事だから、早めに帰路についていった。
僕は最後に2杯飲んだ泡盛が効いた足で、フラフラと寝床に向かった。
この旅の〆は、カプセルホテルだと決めていたのだ。
というのも、新宿に来たのは20年ぶりで。
就活のために上京していたのだが、貧乏なもので激安のカプセルホテルに連泊していた。
その頃を思い出したくて、あえてカプセルにしたのである。
狭く暗く洞窟のようなカプセルのなかの固くも柔らかくもないマットレスのうえで横になり、泡盛で廻る視界に翻弄されながら少しばかりこの光景を懐かしみ、ストンと眠りに就く。
翌日は予定通りガッツリと二日酔いで、新宿駅と東京駅と京都駅のトイレで予定通り吐きながら滋賀に帰った。
店に帰ると、予定通りの仕込みが待っていた。
そして予定外の「シーナさんにうどんをお送りするんだ」というヨロコビを、フラフラしながらも改めて感じていた。
宝物のような時間だった。
(そして後に…)